平成11年夏にCLA懇話会を立ち上げ、毎年1回研究発表会を開催してきておりますが、現在第12回の発表会開催の準備中です。
「堅苦しい“学会”ではなく、お互いに忌憚のない情報交換の場」を持ちたいという発足当時の基本理念のもとこれまで懇話会を運営してまい
りましたが、お蔭様で非常に多様な機能性を持つCLAについて広い視野から討議を行い、意見を交換して多くの成果を上げ、学界と産業界
の活動を結び付に役立ってきました。とくに、一昨年の第10回懇話会では記念講演会を開催し、その時点でのCLA研究の現状と課題を総括
するなど、懇話会は十分な役割を果たしてきたと自負しております。
研究には「創造性」が最も重要であることはいうまでもありませんが、CLAという脂肪酸についても、新しい視点からの創造性溢れる研究成
果が集積してきています。しかし近年、ある意味では「頭打ち」の様相は避けられず、とくにわが国では研究者の数も限られており、本懇話
会としても今後の展望を求めて種々思案を重ねてきました。そして、研究対象をいくらかでも広げれば何らかの解決の道が拓けるのではな
いか、と考えるようになりました。一方、現時点ではCLNA(conjugated linolenic acid)についての研究が関心を集めており、共役リノール酸
の名称ではすべてをカバーできない状況にもあります。このような背景から、まず、懇話会の名称変更が発展的意味からも妥当ではないか
と考えるに至りました。
そこで世話人に集まり頂き、意見を交換した結果、CLAも機能性脂肪酸のひとつであることから、懇話会の新しい名称を「機能油脂懇話会」
と変更することで意見の一致を見ました。この変更により、該当する研究者の数は倍増し、一段と自由闊達な懇話会として学際的発展の拡
大が期待できるに違いありません。どうか、諸事情をご勘案の上、これまで以上に積極的に新しい懇話会にご参加下さいますようお願い申
し上げる次第です。なお、外国に向けてのわが国の研究の発信源として従来「CLA network in Japan」という英語名を用いておりましたが、
国際的な面をも勘案して、この名称は残し併用することに致しました。機能性油脂懇話会の英語名は目下検討中で、両者を並べることにな
ります。
学問の進展には改革は不可欠です。「新しい酒は新しい器に」との格言通り、本懇話会が新しい名称のもとに一段と発展し、研究の分野で
名声を得ることを大いに期待しております。懇話会の運営は従来の方針を基本としますが、積極的なご意見を拝聴したいと念じております。
皆様方のご理解とご支援をお願い申し上げます。